ひなの家@県民共済住宅2023

2023年に県民共済住宅で建設予定です。県民共済住宅の施主は情報収集と共有が命!よろしくお願いいたします。

【施工管理編②】土台敷きの気密処理(着工43日目)

埼玉県内・共済組合会員限定・非営利組織・営業なし等により、坪単価30万円代という圧倒的な坪単価の安さを誇る県民共済住宅で住宅を絶賛建築中の、ひなです。

 

ようやく工事が着工し、1月が経ったところです。

前回までで、基礎が完成しました。

 

kennmin2023.hatenadiary.jp

 

今回は、土台敷きという工程になります。

全体スケジュール

上記のスケジュール上だと、「3上棟」の横の”建て方”の最初の工程に当たります。

特に、気密に注意して施工管理を行ったので、気密に特化して記事も書いていこうと思います。

 

なお、最初に述べておきますが、私が行った施工方法は『県民共済住宅の標準施行外』であり、『多大なる大工さんのご厚意』によりやっていただいたもので、誰でも同じように出来る保証はありませんのであらかじめご承知おきください。

 

 

床面の気密の取り方

床の気密の種類

出典:https://www.njkk.co.jp/blog/?itemid=33&dispmid=764

床断熱の場合、気密ラインは床面になります。

この場合、①剛床の上で気密をとる方法②大引きの上で気密をとる方法2パターンがあります。

詳しくは下記の動画が参考になります。


www.youtube.com

 

県民共済住宅の標準の床の処理

では、県民共済住宅ではどのようにして床の気密を確保しているのでしょうか…

……

答えは、何もしていない、でした!

気密を意識していない会社なので当たり前ですね。

剛床である程度の気密は確保できるという考えのようです。

なお、↑の動画を発信している日本住環境株式会社のHPでは以下の記述があります。

出典:https://www.njkk.co.jp/blog/?itemid=33&dispmid=764 (日本住環境株式会社)

 

 

頼めば剛床上での気密処理はやってくれる…?

上記のとおり、標準施行では何もしてくれない県民共済住宅ですが、

高気密を目指す施主ブロガーさんで、監督に剛床の上での気密処理を頼んだところ、やってくれた事例がありました。(上記のパターン①に該当)

監督と現場で折り上げ天井問題とコンセント位置の打ち合わせ | 旅と家 (tabitoie.com)

当然標準施行外なので断られる可能性もありますが、言うだけならただと思い、現場監督さんに相談したところ、、、

『わかりました、大工さんに伝えます』とのお返事でした。

ついでに、気になっていた部分として、土台部分の柱の継ぎ手やアンカーボルトについても気密処理をお願いしました。

↓↓こちらの動画が大変参考になりました。


www.youtube.com

思いのほか良いお返事が聞けたので、とりあえず一安心しました。

が、当日が近づくにつれてある疑念が湧いてきました。

 

大引きと断熱材の間で気密層をとった方が良いのでは

高断熱仕様の場合、床の断熱材はネオマフォームになります。

ネオマフォームの場合、剛床の上で気密をとる方法のほかに、大引き(土台の柱)とネオマフォームの間に気密テープを貼ることで、気密ラインを確保することが出来ます。

(上記のパターン②に該当。)

別に剛床の上で気密をとっても全く問題はないのですが、

大引きの上で気密ラインをとる利点としては、

●柱回りの気密処理が原則不要になる

●剛床の上での気密処理も原則不要になる

●高気密を意識している工務店などでは、大引きの上で気密ラインをとっていることが多い。(加えて、念のため剛床の上にもテープ処理をしている場合が多い。)

が挙げられます。

 

聞くだけ聞いてみようと思い、監督さんに大引きの上で気密をとることは可能か聞いてみたところ、そのような処置はしていないので対応不可と言われました。

どちらも標準施行外なのに、剛床の上の処理はOKで大引きの上の処理がNGの理由はよくわかりませんでしたが、剛床の上での処理がOKなだけでも儲けものなので特に何も言いませんでした。

 

 

土台敷き当日

事前に土台敷きの日程は聞いていたので、当日は午前中から現場を見に行きました。

10時半くらいについたときには、土台の柱は乗っていて、お願いしていた柱の継ぎ手部分及びアンカーボルトの気密処理の最中でした。

玄関周りの気密パッキンの確認

まずはじめに確認すべきこととして、玄関周りに気密パッキンが施工されているかどうかです。

床断熱の場合、断熱気密ラインが床面になり、床下部分は通気パッキンと呼ばれる部材を使い通気させています。

県民共済住宅新都心本店の展示より

床下から撮影

ただし、玄関・シューズクロークなど土間になる部分は、床面がないため、他の部分と同じように通気パッキンで施工してしまうと土間から風が入り放題となります。

そのため、気密パッキンと呼ばれる部材を使用し、通気させないようにします。

気密パッキンがちゃんと施工されていました

上の写真のように、隙間なくパッキンが敷かれていれば問題ありません

万が一ここを間違えている場合、パッキンを入れなおす必要があるため、可能であれば断熱材が施工される前にチェックしておきたいところです。

私の場合、玄関に加えシューズクロークもあるため、4隅も含めてぐるっと回って確かめました。

特に隅はよく確認しましょう。

隅まできちんと確認しましょう

……

………むむっ!?

分かりにくいですが、スキマがあります

スキマがありました。

流石にこういったスキマにはパッキンは入れられないため、気密テープで塞いでもらいました。

下が土間なので、アクリル性粘着のテープではがれないのか若干心配ですが、最悪このくらいだったら上棟後、框がついて塞がれるまでに処理は可能なので現段階では問題なしと判断しました。

 

継ぎ手とアンカーボルトの気密処理

このような感じで、気密処理されていました

継ぎ手の根元部分とアンカーボルトの距離もピッタリ12cmでした

現場で作業されていたのは、リーダーの30代くらいの職人さんと、ベトナム人の若いお兄ちゃんが3人の計4人でした。

リーダーに挨拶をして、標準施行外である継ぎ手部分の処理のお礼を言いました。

ただ、正直気密テープの圧着が甘い部分や塞ぎ切れていない部分が何か所かあったので、現場を回りつつ自分でテープ処理を行いました

処理が甘い場所

こういった部分は職人さんも初めての施行なのである程度しょうがないですし、標準施行外でお願いしている手前、自分で手直しするのが筋かなと思います。

施行も、テープを貼るだけなので素人でも可能です。

また、これはリクエストには入っていませんでしたが、ホールダウン金物についても気密テープで塞いでいただいていました。

ホールダウン金物の気密処理

 

大引きの上でのテープ処理の交渉

リーダーは年が割と近いこともあり、話しやすい感じの方でした。

上手くコミュニケーションが取れてきたので、気密の話題をしつつ

『本当は大引きの上でテープ貼りたかったんですけど、監督に断られちゃいまして~。やっぱり出来ないものなんですかねー(チラッ』

と聞いてみたところ、

『あー、出来ますよ?やりましょうか?』

との返事。

 

はい神。このリーダー神である。

2つ返事でお願いをして、昼休憩に。

仕事の時は(気持ち悪くなるので)ご飯は食べないというリーダーのためにウイダーインゼリーを買いつつ、ずっと現場に張り付くのも邪魔かと思い、近くのガストで昼食がてら仕事の勉強をして時間をつぶしました。

 

午後は断熱材施行

14時くらいに再び訪れてみると、断熱材施行の最中でした。

断熱材施行の様子

プレカットされた断熱材(ネオマフォーム)をはめ込んでいきます。

高断熱仕様の場合、グラスウールではなく、ネオマフォーム(66mm厚)です。

横から見た断熱材。ちゃんと66mmでした

この断熱材は土台の柱の脇に設置された小さな金具で止まっているだけなので、この段階で断熱材の上に乗ると踏み抜いてしまいます。

なので柱の上だけを歩けることになるのですが(平均台みたいな感じ)、リーダーはじめ職人さんはすたすた歩いていてすごいなと思いました。

断熱材の施工の様子も確認しましたが、細かい部分までしっかりと施工されていました。

床下点検口の脇。ここは多分現場カット

畳コーナー部分は、畳が来るため他より少し下がったレベルで施工されていましたが、当然断熱材は同じ厚さのものが入っていました。

畳コーナー部分から水平目線で

大体20mm強?下がっていました

 

断熱材を入れたら、本来はすぐ上に剛床を敷くのですが、ここで気密テープ処理の工程を追加してもらいました。

リーダーからテープを回すように指示されたベトナム人のお兄さんが臆せず『えぇー?!そこまでやるの!?』と驚いていたのは素直で良いなと思いました(笑)

(多分リーダーも同じ気持ちだったでしょう…ほんとすみません(;^ω^))

ただ、本来予定していた処理ではなかったため、気密テープが足りなくなってしまいました。

テープはエースクロスの防水気密テープ50mm×20mです。

 

 

 

職人さんが用意していた気密テープ10個くらいと、私が手持ちの2個ありましたが、全然足りませんでした

そこで、リーダーが買い出しに、残ったベトナム人メンバーで気密処理と、処理が終わった部分に剛床を貼っていくという作業となりました。

4方の気密処理が終わったところから剛床を載せていきます

剛床を敷く前に専用のボンドみたいなものを付け、そこに剛床を敷き、釘で止めていくという施工の流れです。

 

剛床(合板)は24mm厚の国産木材でした。

合板銘柄

 

そうこうしているうちにリーダーが買い出しから戻ってきて、テープ処理が再開されました。

やってもらってばっかりでは申し訳ないので、僭越ながら私もテープ処理をやらせていただきました

ホールダウン金物を処理してみました

気密処理の動画を見まくっていたおかげか、意外ときれいに出来ました。

ちなみに余談ですが、エースクロスの気密テープは、黒、白、透明の3色ありますが、土台敷きの段階では透明のテープが好ましいようです。

理由は、剛床を設置する際、細かな位置出しが土台柱に記されているため、黒や白のテープで塞いでしまうと見えなくなってしまうから とのことでした。

 

全ての剛床の設置が終わったら、雨に濡れないように防湿シートを貼って作業終了です。

防湿シート張りの様子

まとめと反省

以上、土台敷きの工程で私が行ったことでした。

冒頭の繰り返しになりますが、この大引きの上で気密をとる施工方法は『県民共済住宅の標準施行外』であり、(一回監督に断られましたが)『多大なる大工さんのご厚意』によりやっていただいたもので、誰でも同じように出来る保証はありませんのであらかじめご承知おきください。

ただ、今回の件で学んだことの一つは、『現場で職人さんと交渉して何とかなることもある』ということでした。

一方で、職人さん側から見ると施主はお客様なので(今回の職人さんの応対がまさにそんな感じでした)、断るに断れない部分もあると思うと、あまり要求しすぎるモンスター施主にならないように気を付けなければなりません。

(本来そこをうまく調整するのが現場監督の仕事のような気もするのですが、良くも悪くも県民共済住宅の現場監督は鬼忙しいのでそんなことをしている暇はないと思います。)

また、気密部材も決して安くは無いため、標準施行外でお願いするなら気密テープくらい施主が支給して上げれば良かったなと思いました。(今回はリーダーのご厚意で職人さんの会社持ちでした。)

 

次回は、いよいよ上棟です。

ではまた!