ひなの家@県民共済住宅2023

2023年に県民共済住宅で建設予定です。県民共済住宅の施主は情報収集と共有が命!よろしくお願いいたします。

我が家が気密のためにやったこと、やらなかったこと

埼玉県内・共済組合会員限定・非営利組織・営業なし等により、坪単価30万円代という圧倒的な坪単価の安さを誇る県民共済住宅で2023年に住宅を建築した、ひなです。

気密測定の結果についてはこちらの記事に記載していますが、我が家が気密のために何をやって、何をやらなかったのかについて記載していたら結構なボリュームになったので本記事に分割しました。

 

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というわけで、以下我が家がやったことを列挙します。

 

 

【注意事項】

 特に施工面については標準で施工してくれるものではなく、都度大工さんや監督にお願いをしてしぶしぶやってくれた(又は私がやらせてもらった)ものが多いです。

 頼んでも必ずやってくれるわけではないので、このブログを引き合いに出して「やってもらってる人がいる(だからやってくれ)」というような使い方はしないようにお願いします。

 

 

設計面

【○やった】天井断熱の面にはダウンライトを設けない

我が家のダウンライト(キッチン)

 ひっかけを付けるシーリングライトとは異なり、ダウンライトは天井面に埋め込むことになります。

 そのため、天井断熱の面にダウンライトをつけると、そこの部分の気密処理が必要になってきます。

 天井断熱の面にダウンライトを設置する際の気密処理は以下の動画のように断熱ボックスの施工が必要になりますが、当然県民共済住宅でそんなものを用意してくれるわけはありません(やってる人いたら教えて欲しい!)。


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 気密の穴になることを避けるため、「そもそも天井断熱の面にはダウンライトを持ってこない」ようにしました。

 そのため、我が家の2Fは全てシーリングライト、ダウンライトは1FのLDK部分のみです。

 なお、2Fが全部シーリングライトになってしまう件ですが、住み始めるとまっっっっっっっったく気になりません٩( ''ω'' )و

【○やった】外壁面にコンセントをつけすぎない

 断熱材が充填されている外壁面にコンセントを設ける際にも、コンセント周りの気密処理が必要になります。

 なお、県民共済住宅では外壁面のコンセントには後付けの気密ボックスが付きますが、あくまで気流止めであり、正確な気密処理ではないことに注意です。


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この記事のコメント欄(質問者ワイ)

気密のプロの回答


↓↓県民共済住宅のコンセントボックスの設置については過去の記事も参照ください。

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以上より、むやみやたらに外壁面にコンセントを設けると、チリも積もればな気密の穴になりやすいです。

とはいっても、外壁面に全くコンセントを設けないのも不可能ですし、意識しすぎて生活が不便になっては元も子もありません

私の感覚としては、「つけすぎない」「一度間仕切り壁コンセントで代用できないか考える」くらいでちょうどよいと思います。

 

【○やった】高断熱仕様

高断熱仕様のネオマフォーム

 高断熱仕様は一見断熱性能のみに寄与するように見えますが、実は気密上も良いことがあります

 それは床の断熱材がグラスウール(繊維系)からネオマフォーム(ボード系)になることです。

 ボード系の場合、大引き間での気密処理が可能になること&完成後に床下から気密の補強が可能であること というメリットがあります。

 気密を意識する施主で、高断熱仕様にしていない方はいないと思いますが(急な煽り)、温熱環境を考えるなら高断熱仕様はマストですね٩( ''ω'' )و

 

 

【○やった】設計士さんに「気密意識していますアピール」

 これはおまけ程度ですが(笑)

 気密の意識が低い県民共済住宅の設計士さんに言ったところで、的確なアドバイスがもらえたり何が変わるというわけではないのですが、言っておくと後悔はしないと思います。

 向こうも一応プロなので、我々素人が持っていない視点を持っているのは確かです。

 

【×やらなかった】総2階

 総2階とは、建物の1階と2階の面積が同じであり、外周がぴったりと揃っている住宅です。

出典:総二階建ての家とは? メリットやおしゃれな外観にする方法、間取りづくりのコツを解説 | 住まいのお役立ち記事 (suumo.jp)

 外周部分がそろっていると、断熱材の施工が楽であり、気密が比較的とりやすいとされています。

 我が家は「部分2階」に該当します。

 総2階にしなかった理由ですが、『暮らしやすい間取りを優先したから』です。

 我が家は、家事や日中の生活のほとんどを1階で完結させ、2階は寝るだけの空間とする「1階完結型間取り」です。

 そのため、どうしても1階の面積が大きく、2階が小さくなります。

 ついでにいうと、そのおかげで1Fに勾配天井もあり、2Fは北側斜線の関係で母屋下がりもあるなど、気密施行上はかなり不利な形状となっています。

 私は間取りから家づくりをスタートさせたくらい間取りにこだわったので、総2階にするという選択肢はありませんでした

 間取りにそこまでこだわりがないのであればとりあえず総2階にするのは(耐震の面でも)おススメです。

 

【×やらなかった】同時吸排式レンジフード

同時吸排式レンジフードとは、通常排気のみを行うレンジフード内で、一部給気も行うものです。

出典:https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/81809/~/%E5%90%8C%E6%99%82%E7%B5%A6%E6%8E%92%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%E3%80%82

タカラスタンダードだと、+数万円程で同時吸排式にアップグレードできます。

同時吸排式が気密の向上に直結するわけではありませんが、気密性の高い住宅だとレンジフードを回すと家全体が負圧となり、玄関ドアが重くなるなどの現象が発生するため、同時吸排式にすることが多いです。

私が同時吸排式にしなかった理由は、単純に家のC値がそこまで良くはならないだろうと思ったからです。

 

【×やらなかった】引き違い窓なし

リビングの引き違い窓

 引き違い窓は縦辷り出し窓などと比べて気密性に劣るため、温熱環境にこだわっている工務店などでは使用しないケースも多いです。(滑り出し窓のように2アクションで開けられるものを使用することが多い)

 

 我が家では、1Fリビングに2か所、2Fベランダに出られる南側の2部屋にそれぞれ1か所づつ、2F北側の子供部屋で採光不足の箇所に1つの計5か所つけています。

 我が家の場合、引き違い窓を生活上全く設けないのは不可能でしたが、必要最小限にはできたかなと思っています。

 

【×やらなかった】浴室を2階に

床断熱工法の場合でも、浴室は基礎断熱にすることが多いのが一般的ですが、県民共済住宅は浴室は無断熱状態(断熱浴槽のみ)です。

当然、気密処理もされていません気流止めはしているとのことですが、実際のところ全然だめです(下記記事参照)

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 こうした事態を避けるためには、浴室自体を2Fに持ってくるのが一番楽で効果的です。

 ただ、間取り上はそう簡単ではなく、だれでも実現できるものではありません。

 先述した様に我が家は『1階完結型間取り』のため、浴室も1階に持ってこざるを得ませんでした。

 

【×やらなかった】土間を少なく

これはどちらかというと、気密のためというか断熱のための方が大きいですが。

玄関などの土間スペースは断熱材が入っていない=無断熱状態のため、その面積は小さい方が良いとされています。

気密上も、土間回りに気密パッキンを入れる面積が大きければ、細かい施工ミスによる漏気の可能性も高くなります。

気密パッキン

ただ、これも施工精度の問題なので、しっかり施工管理をすれば気密上は大丈夫かなと思い、あえてシューズクロークを無くしたり必要以上に玄関を狭くする理由にはならないのかなと思います。

 

施工面

床(大引き間での気密テープ張り、配管穴処理)

床断熱の場合、断熱気密ラインは床面です。

必要な処理は、①全体の面の処理(剛床の上又は大引き間)②貫通部の処理 の2つです。

①全体の面の処理は、私は大引き間で行いました。(標準施行外なので要交渉

具体的には、土台敷きの段階で、断熱材と大引き間・木材のつなぎ目・アンカーボルトの気密テープ処理を行いました。詳細は以下の記事に記載しています。

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②貫通部の処理は、標準施工でコーキング処理がされていましたが、念のためその上からテープ処理、(主に断熱欠損の関係から)床下からウレタン処理をしました。

↓↓テープ処理した記事

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↓↓ウレタン処理をした記事

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壁(グラスウール耳の気密テープ処理、配管処理、熱橋処理)

壁は充填断熱(グラスウール)です。

必要な処理は①全体の面の処理(グラスウール耳部分の気密処理)②貫通部の処理 ③窓回りの処理 の3つです。

①全体の面の処理は、標準では石膏ボードで押さえつけるだけ=何もしない なので、交渉してグラスウールの耳に気密テープを貼らせていただきました。

②貫通部については、標準でテープ処理をしてくれますが、普通に処理漏れがあるので、施主の方でもチェックする必要があります。

③窓回りについても、標準でグラスウール充填&テープ処理がありますが、これもガバガバのため、施主で要チェックです。

↓↓以上3点はこちらの記事でやっています。

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天井(気密シート張りの気密処理、間仕切り壁部分の気密処理(一部))

天井は、天井断熱(グラスウール)に気密シート張りです。

壁と違い、気密シートが張られるので、グラスウールの耳をテープ処理する必要がないのでやりやすいです。

ただ、シート間の継ぎ目や際の部分はしっかりと処理する必要があります。

我が家の場合、事前に大工さんにお願いして際の処理をすべてやってもらいました。

↓↓詳細はこちら

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また、天井の気密シートが及ばない部分として、2F部分の間仕切り壁があります。

標準でグラスウール2つ折りによる気流止めはされていますが、配線貫通箇所や石膏ボードとのスキマがわずかに空いているため、処理が必要です。

↓↓こちらの記事で途中まで施工済み

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最後に

以上、我が家が気密のためにやったことでした。参考になったでしょうか。

 

実は、メーカー選びで県民共済住宅に決めた際は、ほとんど気密は諦めていました

先輩施主ブロガーさんで、それなりのC値を達成している方もいましたが、自分が同じように出来るとは思っておらず、すげーなぁくらいに思っていました。

 

そのため、設計段階ではそこまでC値を優先させることは無く、まぁ出来る範囲でやろうかな程度でした。

いざ、施工が始まると、結構施工管理でやれることがあるんじゃないかと思い、そこからはかなり真剣に気密を意識して取り組みました。

 

結果は、まぁ現時点ではアレですが。

ただ、全部終わってみて思うのは、気密もあくまで住宅の一要素、もちろんとても大事なんですけど、あくまで1要素でしかないなと思います。

 

その点では、気密を追い求めて坪単価の高い施工会社で建て、坪数も土地も妥協を重ね、標準設備で我慢する みたいなことはせず、素直に県民共済住宅で建てて良かったなと思いました。

 

浴室の無断熱状態など県民共済住宅に温熱環境の面で言いたいことは山ほどありますがね。山ほど(;^ω^)

 

ということで、気密の関係は以上です!!